琅琊榜(TVドラマ)

ネタバレ度:1/4(原則ネタバレなし)


 中国古装ドラマ「琅琊榜」を見ました。たいそう面白かったです。


設定とあらすじ:
 舞台は複数国家のならびたつ架空中国。テクノロジーは宋代っぽく社会構造は南北朝っぽい(つまり仏寺が多く科挙はどうもないっぽくて人物鑑定家の推薦がハバをきかす)。世界観的には軽功はあってエネルギー衝撃波はない。


 ある大国の帝は「皇太子ならびに大軍閥化した重臣」を謀殺。重臣一家でただひとり生き残った息子は素性を隠して江湖に落ちギャングボスとなる。
 十年後、大国では皇太子と第五王子が跡目をめぐって対立、二人ともが「琅琊閣」という中立の民間情報結社に帝位を得る方法を聞く。「琅琊閣」の長で医学の天才でしかもギャングボスの友人である男、双方に「ギャングボスを味方につけることです」と書き送る。
 ギャングボス「ありがとうこれで事を成せる」
 琅琊閣の長「ちょっと脈を見せろ」
 「私はあと何年もつかね」
 「何年欲しい」
 「二年」
 「医者十人連れていって安静にしてれば二年持つな」
 「ハハハ無理だ。ありがとうありがとう」
 琅琊閣の長、数個の丸薬を渡し「これを呑めば発作が一時的におさまる、丸薬が尽きる前に私を呼べ」
 かくして宮廷に乗りこむギャングボス。だが彼の目的は復讐だけではなかったのだ……


いいところ:
 脚本がすごくしっかりしてて伏線のひきかたと回収しかたがうまい。
 武侠ドラマによくあるキチガイ・オン・パレード度は薄い。しかし武侠ドラマのキチガイ・オン・パレードの奥に潜む美点「ことなる思考パターンを持つ複数の人間」は残っている気がします。この点非常に上品なつくり。腹に一物ある人間ばかりの中で裏表のない人間が一人二人いて一服の清涼剤になってたりもします。
 武侠モノ後宮モノの要素は取り入れつつ主軸には置かないバランスもうまい。陰謀好き武侠好き後宮ドロドロ好きと幅広い層にアピールするつくりになっておりましてどなたにもおすすめできます。
 いやホントこんなに胸を張っておすすめできる中国ドラマなんていつぶりだろう……わたし日本TVマンガとか韓国古装ドラマとかは人から勧められたものしか見てないのであんまり「はずれ」を引かないんですが中国武侠/古装ドラマのアレでナニなのはかなり見てきましたからね!